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頭の良い子に育てたいあなたへ

「頭の良い子に育てるにはどうしたらいいですか」

とよく聞かれます。それに答えるにはまず「頭の良い子とはどういう子か」という問題に答えなければなりません。

小学生になったときオール5(今はそういう成績表ではありませんが)をとれる子が頭の良い子なのでしょうか。いい中学、高校に合格をもらえる子でしょうか。偏差値が高いとか、あるいはスポーツで活躍する子とかはどうなのでしょうか。

確かに目に見える数字や成績で「頭が良い」と確定するのはわかりやすいものです。しかし、私は学習面でいえば基礎の土台がしっかりしてそこに応用力のある子が「頭が良い」というふうに考えています。

そしてそれ以上に、「人として幅があり奥行きがある」人間というのが頭の良い人なのではないかと思っています。抽象的でわかりづかいかもしれませんが、たとえば難関中学から東大まで進んだ人も「頭が良い」のでしょうが、その人に生きる力や人と人との関係性を築く能力が欠けていたのなら本当の意味であまたの良い人、賢い人とは思えないからです。

勉強や学習といったものは、基礎をつけるにしろ、そこから応用力をつけるにしろ、親以外に学校や塾といった手段があります。
しかし、人が生きる力そのものの土台は、小さな子供を導く親の力にかかっています。

さまざまなことを体験させてあげてください。例えば博物館や美術館に行くことも、家族で旅行することも、散歩したり、一緒にボードゲームすることも、すべては子供の「小さいときの体験」です。いろんな絵本を読んであげてください。一緒に感想を話し合ってください。音楽を聴いて「ママはこれが好き」「この楽器は面白いね」とお子さんと楽しんでみてください。

お子さん同士をたくさん遊ばせてあげましょう。ケンカを見守り、上手に仲裁をし、時には悔しい思いを体験させてあげましょう。励まし、慰め、怒り、許すことを教えてあげましょう。

頭の良い子に育てる以前に、人としての力をきちんと幼児から積み上げて蓄えていく。人間としての心の体力をつけさせてあげることが、私は「あまたの良い子」へむけてのもっとも大切なことではないかと思っています。

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