- 花粉症でもない
- 鼻をよくかむわけでもない
- それなのに鼻の皮がむける……
花粉症や風邪を引いて鼻水地獄のときは、結構誰でも鼻の皮がむけるものです。
でもそんなことない場合、考えられるのは2つ。
1つは脂漏性皮膚炎などの皮膚病。
もう1つは鼻独特のターンオーバーの乱れです。
後者の場合なら、保湿化粧品で鼻特性に適したものを選ぶ。そして多少のスキンケア注意があれば、普通は簡単に治まってくれます。
やはり原因は「摩擦」で気づいていないだけ
鼻はかんでいない。触る癖もない。赤く炎症を起こしているわけでもない。
それでも鼻の皮が剥ける場合があります。
だいたいは鼻を触りすぎていると指摘されて、そんなことはないと反論したくなるのですが……
皮膚病でもない限り、ほぼ間違いなく「摩擦」が原因。つまり触り過ぎなんです。
鼻というのは顔の中で一番前側に突出しています。だから顔を触る行為の場合、必ず一番最初に触れやすいんです。
つまり、本人が鼻を触ろうとしなくても、無意識に何度も鼻に摩擦が生じるんです。
例えば……
- 顔を洗う
- タオルで汗を拭く
- 口の周りを拭う
この他にも、お風呂で無意識に顔を触っていたり、日中も考え事をしている時に鼻を触っていたりします。
これらは完全に無意識なので気づきませんが、人によって触りすぎている状態になっています。癖ですね。
自分では鼻を触りすぎているつもりがなくても、24時間カメラ撮影したのなら、意外と触っている映像が残るものです。
鼻の皮膚はギリギリ乾燥しない状態だから元々むけやすい
鼻の皮むけはなぜ起きちゃうのか?
これ、鼻の毛穴が目立ちやすいのと関連があるんです。
毛穴は乾燥で目立ちやすくなります。つまり鼻は乾燥しやすいということ。
乾燥しやすいということは角質層内のセラミド量も少ないということです。肌水分量はセラミド量で決まります。
鼻の皮膚は、顔の中では目の下まではいかなくても、かなり薄いほうで元々のセラミド量が少ない。それだけ水分を蓄えにくい部分です。
皮むけしている正体は角質なのですが、この角質がなぜ剥がれてしまうかというと、角質同士をくっつけている接着剤が足りないからです。
その接着剤こそセラミドなんです。
しかも、肌水分量を確保しているのもセラミド。これが不足しているのですから、乾いた状態で浮き上がってくるのです。
鼻の皮がむける人とむけない人の差は皮脂を維持できているかどうか
鼻の皮膚の肌水分量を計測すると、だいたいは皮むけしていてもおかしくないような数値の人ばかりです。
でも大半の人は乾燥を感じたり皮むけしません。
これはなぜかなのか?
ここが、鼻の皮むけになるかならないかの差になるんです。
理由は皮脂です。
ご存知の通り鼻は皮脂が多く出ますよね。毛穴が多いということは皮脂腺も多いということ。この皮脂量が乾燥を防いでおり、元々薄くて乾きやすい鼻の皮膚を守ってくれているんです。
皮脂が多いことで、外部空気と肌が触れにくく、肌水分量が低くても乾燥を感じにくくなります。いわゆるインナードライに近い状態です。
でも、無意識に鼻を触っていると、この皮脂膜がいつも不足状態になります。
そのため外部の乾いた空気が水分量の少ない肌に刺激となり到達。それがきっかけでターンオーバーが乱れ、結果的にセラミド不足になり角質が剥がれやすくなります。
これが鼻独特の皮むけ原因。
ターンオーバーを正常にするだけで鼻の皮むけが止まる
ターンオーバーとは表皮細胞の入れ替わりサイクルのことです。
普段、肌から垢が出ますよね。あれがターンオーバーの最終結果。
肌(表皮細胞)は20代なら30日。30代なら35日など年齢ごとに一定周期で入れ替わっています。肌の生活リズムみたいなものですね。
これが乱れると、角質が厚く重なったり、逆に剥がれやすくなったりします。作られる肌細胞が未熟になるためです。
鼻の皮膚は元々薄い上に無意識に触りやすいため、普段から刺激にさらされがち。この刺激が重なると表細胞を作っている部分に炎症が起きます。この炎症がターンオーバーをおかしくしてしまいます。
炎症があるとセラミドもうまく作られなくなり乾燥し、鼻の角質はくっついていられなくなり剥けてくるわけです。
また、頻繁に鼻を刺激することで、鼻は刺激に耐えようとします。そのため角質を分厚くしようとしてしまい、どんどん早送りで角質を誕生させます。
これもセラミドがうまく作られない上に、未熟な角質だらけになります。
当然、肌表面に出てきたときには接着剤不足な上に脆いため、何もしていないのに鼻から白い薄皮がポロポロ剥けてくるのです。
ということは、鼻の皮膚のターンオーバーを適切な状態に戻す。これが鼻の皮むけ対策で絶対に必要なことだと分かりますよね。
ターンオーバー正常化はオイルじゃなくてセラミドで
鼻の皮むけ対策はターンオーバー正常化です。
無意識に触ってしまい、皮脂を取り除き、摩擦で刺激を与えてしまうことがターンオーバーの乱れに繋がります。
でも皮脂を補うというのはあまり効果がありません。
なぜなら、皮脂を補ってもまた無意識に触って取ってしまうからです。それに皮脂腺が元々多い部分にオイル保湿をすると、1日のどこかで皮脂が増えたタイミングでテカったり、ニキビが増えたりします。
やるべきはセラミド補給です。
もしくは、セラミドに類似した保湿成分を角質層に与えてあげることです。
皮むけ状態は角質が剥けて、なおかつセラミドによる水分保持が足りていません。この状態ではバリア機能、外部からの刺激に対する防御力が落ちています。肌は危険を感じるため、角質を厚くしようとしてターンオーバーを乱します。
この中で問題となるのが、肌が刺激を感じてしまう部分です。危険を感じる部分。
ここを感じさせないようにすれば、ターンオーバーは無理な加速をする必要がありません。
これに必要なのがバリア機能なのですが、皮脂はバリア機能の中でもごく一部。大半はセラミドを中心とした細胞間脂質によって発揮されます。
だからターンオーバーの正常化にはセラミドを増やすことが必須で最終目標なんです。
ターンオーバーを整えるセラミドケアに微妙な方法いろいろ
ターンオーバーを整えるために必要な条件は……
【一時的ではない長い肌水分量キープ】
これ1つです。
だったら保湿しとけばいいとなるのですが、ここを読んでいる人は既に試しているはず。それでも鼻の皮むけが継続したと思おいます。
鼻の皮むけを改善しようと思えば、実用的な保湿化粧品というのはかなり限られるんです。
化粧水は鼻には効きにくい
水分が肌に足りないというと化粧水を第一に考えないでしょうか?
でも、鼻の肌に関しては化粧水は効きません。
化粧水は皮膚科学的に重要度はあまり高くありません。なくても実は問題ないんです。
特に鼻の皮膚は薄く、さらに皮膚が突っ張っているため化粧水が馴染みにくい場所です。頑張って浸透させようとしても難しく、そのために鼻の皮膚に触れる回数も圧力増えます。
化粧水にこだわることで余計に刺激を与えてしまい、ターンオーバーを乱してしまう逆効果に鳴ります。
化粧水は使ってもいいのですが、化粧水で何とかしようと思ってはいけません。
例外としてはセラミド化粧水や、セラミド類似の化粧水。
これらは、肌に水分を与えるというより、水分と共に水分の居場所を作るからです。こういったものなら、肌にスッとなじませるだけである程度の保水を見せてくれます。
ワセリン保湿はニキビの可能性あり
保湿の定番ワセリンですが、皮脂腺が多い鼻にはあまり向いていません。
どうしても皮脂の行き渡りの邪魔となり、場合によっては毛穴を詰まらせるからです。
またワセリンは十分に暖めないとテクスチャーがかなり硬いため、薄い鼻の皮膚を引っ張るように塗る必要が出てきます。
ワセリンは刺激なくて、肌水分量蒸発を押さえる力が強いのは事実。でも、鼻の皮膚特性を考えると正直かなり使いにくくマイナス面も多いですね。
鼻こそ選ぶ保湿化粧品は「浸透性」
鼻の皮むけ原因となるセラミド不足を補いたいなら、セラミド配合、もしくは類似成分の保湿化粧品を選ぶべきです。
ただ見極めたいのは浸透力。
頬やおでこは分厚い皮膚、それに対して鼻は薄くなっています。バリア機能を持たせるには、肌表面に保湿成分を塗るのでは約不足です。
薄い肌はセラミドなど保水成分を受け止められるスペースも貧弱です。
使うべき、求めるべき保湿化粧品は、一度でほとんど完結するくらいの滑りと浸透力を持った保湿化粧品です。
浸透性はブランドの裏を見ないと分からない
どの化粧品も肌に染み込んでいく感じがスゴイ!となっていると思います。でも実際はどうでしょうか?
スキンケア化粧品をお使いの女性で不満を感じているベスト3に入るのが浸透しないことです。
つまり、ブランドのアピールだけでは浸透性は全く判断できないということ。
これは片っ端から使っていくしかないのですが、ある程度絞ることができます。それは、ブランドやメーカーの背景を見ることです。
見るべきポイントは技術力です。
そのブランドがいくら華やかに見えても、その裏付けが何なのか?という点を見てください。
例えば、相当な浸透感のあるアスタリフト。これは写真の富士フィルムの化粧品ブランドです。
なぜ浸透性がものすごいかというと、フィルム製造技術を転用しているからです。写真フィルムは写真を何十年も色褪せず残す必要があります。そのために、何層にも分かれたフィルムに薬剤等を安定して染み込ませる必要があります。この構造と問題が人の肌とそっくりなんです。
これくらい何かがないと、人の肌にはそうそう浸透しません。
薄くて成分が安定しづらい鼻の皮膚。そこに足りない潤いを留めるには、こういった「何か」が背景にあるかを見極めてください。
セラミドはナノ化・結晶化・それ以外はリポソームで決まり
薄く、化粧品が浸透してとどまるスペースが少ない鼻の皮膚。
ここをテカらせず、毛穴を詰まらせず、しっかりと保水してターンオーバーを整えることができるのは、ナノ化・結晶化したセラミドかリポソーム系成分で決まりです。
セラミドは他の保湿成分より肌なじみがいいですが、さらに差が付くのがナノ化と結晶化。
どちらも浸透しやすく、安定してとどまってくれるため、一度の保湿で長く潤いをとどめてくれます。
セラミド以外の成分ならリポソーム化が必須。
これは医薬品の塗り薬にも使われる技術で、リン脂質でカプセルを作ることにより浸透力を増す技術です。これにより、肌に弾かれることなくスーッと入っていき、より長く時間をかけて保湿成分を提供し続けてくれます。
鼻のクレンジング・洗顔は意識的にやらない程度で十分
知らぬ間に鼻を触っているから皮むけするわけです。ですから、クレンジングと洗顔であまり鼻部分を洗う必要はありません。
なぜなら、汚れが角質とともに剥け落ちているからです。
先ほどのように正しい保湿ができていればターンオーバーは整います。それにより、より自然に角質が剥がれるようになり、古い角質も堆積しにくくなります。もちろん毛穴も目立たなくなります。
サッと済むオイルクレンジングが適している
肌への刺激で言うとミルク・クリームタイプのクレンジングなのですが、鼻の付け根などメイクが入り込みやすい部分では時間がかかってしまいます。
そのため鼻の皮膚を必要以上に擦って摩擦を与えてしまいがち。
それなら、洗浄力が強いオイルクレンジングでサッと終わらせたほうが、総合的に摩擦刺激を大幅に減らすことが出来ます。
それだと乾燥するじゃないか、とも思われるでしょうが、安価なミネラルオイル主体のオイルクレンジングでなければ大丈夫です。有名所のオイルクレンジングの大半はミネラルオイルなので、これでオイルクレンジングは肌に刺激があると思い込まれているところがあります。
鼻の皮むけはとにかく摩擦を避けないとダメです。クレンジングで時間がかかっている人は、それが大きな皮むけ原因に間違いありません。一度、非ミネラルオイル(鉱物油)のオイルクレンジングでサッと時短メイクオフを試してもらえればと。
洗顔料の泡は最後に付けて鼻部分は後回し
洗顔料の泡は鼻部分をさけて顔につけます。
これは知らぬ間に鼻に刺激を与えている一つのケース。普通に洗顔料を顔に両手で付けると、どうしても鼻頭に洗浄成分が乗ります。
鼻部分を特に意識して洗わず注意したとしても、洗浄成分が鼻に付着しているとセラミドがどんどん分解されていきます。
皮むけしているときは汚れが残りにくい状態なので、洗浄成分なしでも特に問題ないくらいです。なので、洗顔の最後にちょっとつけて馴染ませるだけ。その後すぐに洗う。このやり方で皮むけが相当収まります。
毛穴や角栓が気になるという人も多いでしょうが、皮むけするような状態だと角栓はできやすくなります。皮むけで角栓が分かりづらくなっているだけ。
角栓は角質の塊なので、皮むけするということはそれだけ角質材料が多いということですから。
とにかくそっとしておくのが、鼻部分の皮膚も毛穴も一番きれいにできる方法なんです。