インナードライ肌の原因は乾燥です。
しかし、本当に乾燥だけかというと、女性はそうとは限らない可能性があります。
いくら保湿してもインナードライが改善しない。
それは、オイリーの裏に隠れた乾燥のさらに裏に、忘れていた原因があるからかもしれません。
インナードライ肌の原因は乾燥のはずなのに…
なぜインナードライ肌になるのか?
それは、乾燥して肌のバリア機能が低下するため、それをカバーするために皮脂が多く出るからとされています。
ここで勘違いが多いので言っておきますが、皮脂が多く出ても乾燥は改善されません。皮脂がたくさん分泌されるのは、肌への外部刺激を抑えるクッション材としての役割です。
もし皮脂分泌で乾燥が改善されるなら、そもそもインナードライなんて症状はありえないのですから。
問題なのは、有効な保湿ケアをして乾燥がある程度改善されているはずなのに、多すぎる皮脂が解消されない。インナードライが一向に良くならない人が多いということです。
保湿しても保湿してもインナードライが改善されない原因
インナードライ肌の主原因は乾燥。
でも保湿しても改善されない。
これには2つの大きな可能性があります。
保湿できた気になっているだけ
保湿というと肌に潤いを与えることですが、この保湿ケアというのは内容が非常に様々です。
保湿ケアの最終的な狙いは、低下している肌水分量を増やすことです。
ただ一般的な保湿は、肌表面をなるべく長時間湿らせることで、乾燥しているという実感を軽減するものです。
インナードライ肌は肌水分量が低下しすぎているため肌バリア機能が低下。肌への外部刺激を和らげるための皮脂過剰です。
しかし大多数の保湿ケアは、肌表面を一時的に湿らせているだけで、肌水分量は全く改善していない。むしろ無駄に湿らせては蒸発を繰り返し、余計に低下させているケースもあります。
インナードライ肌改善のポイントは、肌の保水力をアップさせること。
肌が自ら水分を維持できる正常な状態を取り戻すのを、いかにして助けてあげるかどうか?これができる保湿ケアが必要で、ただ自分で「潤っている」という感覚はただの自己満足で意味がない可能性があります。
女性特有のホルモンバランスの乱れ
インナードライ肌の改善のために保湿を頑張っても良くならない理由に、保湿ケアが意味をなしていないのに加え、女性特有の原因も考えられます。
皮脂分泌は肌にとって必要な生理機能です。
その生理機能を果たしているのが男性ホルモンです。
だから男性は女性より皮脂が多く分泌され、女性は皮脂が少ないのが普通です。
だからホルモンバランスが乱れると皮脂分泌は上下しやすいということになります。
ここで女性特有の生理が出てきます。
生理前になると肌荒れしたりオイリー肌になったりと毎月悩む女性は多いですが、それはまさしく生理によりホルモンバランスが大きく上下するからです。
さらに、ホルモンバランスは仕事や人間関係、はたまた住まいなどの住環境などいろいろなことで感じるストレスにもかなり影響されます。
そしてそのストレスに因るホルモンバランスへの影響は、元からホルモンバランスが乱れやすい女性のほうが強く影響されます。
このホルモンバランスの乱れは男性ホルモンの影響を強めて皮脂を多く出してしまうこともあれば、肌細胞の生まれ変わりを鈍らせてしまい、それと同時に作られる肌の保湿成分(セラミドなど)が減少して肌水分量が低下してしまいます。
つまり、インナードライ肌がなかなか改善しない女性というのは、保湿ケアが間違っている場合もあれば、さらにそれに加えて、ホルモンバランスの乱れが大きな原因となっている可能性があるということです。
インナードライ肌改善を意識した保湿ケア方法
では、インナードライ肌原因で考えられる2つの可能性を考慮したケアはどうすればいいのか?
まずは、意味のない保湿ケアからの脱却を。
保湿ケアはセラミドを肌に増やすことを目標にする
インナードライ肌に必要な保湿ケアは、肌の保水力を高めることです。
その保水力を発揮するものは何か?というと、細胞間脂質という角質細胞の隙間にある成分。特にその多くを占めるセラミド。さらに、角質細胞内にあるNMF(アミノ酸などの天然保湿因子)です。
これらが角質層に多くあると、体の中から自然に染み出してくる水分が、肌を素通りすることなく長くとどまります。つまり肌水分量が一時的ではなく、常時安定して高い数値を保つようになります。
過剰な皮脂分泌が乾燥、正確には肌水分量の低下が原因だとするなら、セラミドやNMFを増やすしかありません。
ワセリンはインナードライにはいまいち?
ではこれが普通の保湿ケアで可能かというと困難です。
代表的なワセリンケアの場合、肌水分量が蒸発しやすいセラミド不足の肌を皮膜で覆い尽くし、肌水分量が逃げるのを防ぎます。
これに何の意味があるかというと、肌水分量が安定することで肌細胞の生まれ変わりが正常化するからです。
セラミドやNMFは、肌細胞が1つ1つ生まれるときに増えるため、肌細胞の入れ替わりが鈍るとそれだけ乾燥しやすくなります。
確かに有効な方法であるはずなのですが、ワセリン保湿は効果があったという人もいればダメだったという人も多いです。
ダメな人は、肌水分量が少なすぎたり、ストレスなどによるホルモンバランスの乱れでターンオーバーが鈍っている人が考えられます。つまりフタをしたからといって良くなるとは限りません。
ワセリンで白ニキビが多く出てしまうことも
ワセリン保湿は、特にインナードライ肌は厄介。
というのは、ワセリンは強力に皮膜を作るため、当然過剰な皮脂も包み込んでしまいます。
そのため、皮脂の行き場が自然と毛穴に集中します。
つまり毛穴のアクネ菌が繁殖しやすくなり、白ニキビがポツポツと出やすくなります。
ただでさえインナードライ肌はニキビができやすく、肌荒れもしやすい肌質です。ワセリンは確かに乾燥対策に有効なのですが、インナードライ肌にはあまり相性がよくありません。
ヒアルロン酸とコラーゲンも相性はいまいち
ではヒアルロン酸やコラーゲンなどはどうか?
ヒアルロン酸なども肌表面に皮膜を作ります。
でも普通のヒアルロン酸くらいなら試しても問題はありませんでした。ただ、スーパーヒアルロン酸など肌への密着率が高いものは白ニキビができやすいことを確認しています。
またコラーゲンもインナードライ肌には相性が良くないでしょう。
皮脂過剰で肌の常在菌バランスも崩れているため、タンパク質であるコラーゲンはあまり過剰に肌に残さないほうが懸命です。菌バランスによっては肌荒れ原因にもなるからです。
インナードライ肌改善のために保湿するなら、こういった成分が主成分となっていないものがいいでしょう。
ベストマッチ成分はセラミド・NMF・それらの類似性分
となるとどんな保湿成分がインナードライ肌にベストかというと、やはりシンプルにセラミドやNMF、またはそれに類似した成分を選ぶべきです。
肌水分量の維持、保水力そのものになる成分を素直に補ったほうがいいのは当然です。
セラミドなどは肌表面に皮膜を作らず、角質層に浸透して水分を保持します。なので過剰な皮脂の行き場を失わせることもなく、なおかつ長く水分を維持することができます。
ホルモンバランスの乱れを意識したインナードライ肌改善方法
そして2つ目の原因として考えられるホルモンバランスの乱れ。
これに関してケアできることは何か?
ストレス原因を取り除くより楽しいことをする
ストレスが原因でホルモンバランスが悪化。そして皮脂過剰に繋がっているなら、当然そのストレス原因を排除すればいいわけです。
でも、女性のストレス原因の大半は仕事や人間関係、住環境や金銭面、食生活の乱れなど、いきなり100%クリアできるものじゃありません。
そしてそれらを解消しようとすると、硬い壁を無理やり押し続けるように、ストレス解消のために何かを我慢する結果となり、余計にストレスが溜まってインナードライ肌症状が悪化します。
どうせ無理だったら、ダメなものはダメと諦め、楽しいことを考える。やる。計画する。といった、頭なの中の方針転換をするべきです。
女性はアロマ効果が結構すごい
意外にバカにできないのはアロマです。
いい香りは心を安定させると言いますが、これは男性では鈍い人が多く、逆に女性では敏感にそれを感じます。
それはやはり、元々ホルモンバランスが動きやすい性別だから、香りのホルモンバランス正常効果をより実感しやすいからです。男性はアロマに無関心ですからね。
無理にとは言いませんが、アロマの香りでリラックスする時間を設けるのはインナードライ肌にとって無駄ではありません。
ただ、女性にありがちなのはアロマにこだわりすぎて、何でもかんでもアロマ。できるだけアロマの香りに包まれていたいと、ある意味依存症みたいになう人がいることです。
それは自分で気づいていないだけでストレスになっている状態。何でも気軽にバランスよく。ホルモンバランスが乱れるのは、生活や精神のバランス崩壊なのですから、アロマがいいからと頼り過ぎないように。
美肌の万能成分ビタミンCは皮脂バランスを整える
乾燥だけが原因で皮脂過剰なら、有効な保湿ケアを進めていくだけですが、ホルモンバランスの乱れで皮脂過剰状態なら、皮脂のバランスを整えるスキンケアも有効です。
皮脂バランスを整えるものとして定番。というかこれしかないというのがビタミンCです。
ビタミンCにはいろいろ種類がありますが、選ぶべきものは浸透性と持続性に優れたものです。
水溶性、油溶性、ハイブリッドなどいくつかありますが、本当に優れたビタミンC美容液などは肌にとって万能の美容パワーを発揮します。
皮脂バランスはもちろん、いろいろな肌の調子を整えてくれるため、一石二鳥のつもりで普段から取り入れるといいでしょう。