寒い季節を我慢して通過するとやってくるのが花粉の季節。
人によってはマイナーな花粉に反応して夏前まで花粉症が続くこともありますよね。
くしゃみと鼻水だけならまだマシです。問題なのは肌荒れ。かゆいし、赤くなるし。ファンデーションは乗らないし崩れるし……
この花粉症対策で最近これは効くよ!と話題なのがワセリン。
このワセリン対策をうまく応用すれば、花粉の季節に肌荒れはかなり予防できるのです。注目するべきは「ワセリンのテクスチャー」です。
ワセリンで花粉症の症状が防げる噂は本当
ワセリンで花粉症の症状が防げるというテクニックが2016年ごろから広まりだしました。
以前からあったのですが、ネットで話題になり拡散しましたね。
これ、主にくしゃみ、鼻水、涙に対して結構効果があります。
なぜかというと、物理的に花粉を体内に入れなくなるからです。別にワセリン自体に何か特別な効果があるのではなくて、ワセリン独特のテクスチャーに秘密があるのです。
鼻の下にワセリンで花粉症が防げる仕組み
ワセリンを使った花粉症対策は、鼻の下にワセリンを塗るだけです。
これでなぜ花粉症が防げるかというと、実は科学的にハッキリと証明されているわけではありません。ただ確実にこれだろうとは言われています。
花粉は粘膜などいわゆる弱い部分から侵入します。だから鼻の穴。もう1つは目です。どちらも粘膜があり荒れやすく弱い部分です。
鼻の場合は呼吸で花粉を吸い込みます。その際に、鼻の下に塗ったワセリンが花粉をキャッチ。体内に入る花粉量を減らせるのです。
花粉というのは花粉症が発症する時期だけに飛んでいるわけじゃありません。その前からある程度飛んでいます。でも体内に入る花粉量が少ないから花粉症を発症していないだけ。
ワセリンを鼻の下に塗ることで、いわば花粉症のピーク前の感覚に戻せるというわけ。
保湿化粧品ではダメな理由はワセリンのテクスチャーが粘性だから
ワセリンというと保湿の基本とされますが、一般的な保湿化粧品と中身や仕組みは大違いです。
花粉症を防げる効果はまさしくワセリン独特のものです。
ワセリンは石油を精製したものでかなり粘度が高くネチョッとしています。ワセリンを肌に塗るといつまでも粘性が続きます。
この粘性が花粉をキャッチして体内に入るのを防いでています。昔で言うならハエ取り紙です。
では保湿化粧品じゃダメなのかというとまず不可能でしょう。なぜなら、保湿化粧品ではベタつきが抑えられているからです。
また一般的な保湿化粧品はワセリンほど持続しません。ヒアルロン酸を肌表面に塗れば若干ですがワセリンと同等の花粉症予防効果はあるかもしれません。でもどんどん水分が逃げていき皮膜性が薄くなっていくので、ワセリンほどの花粉症予防はできないです。
ワセリンを肌全体に塗れば花粉症による肌荒れが防げる可能性ありく
肌荒れには二種類の原因があります。
内的要因と外的要因です。
内的要因は、
- 便秘
- ストレス
- 食事内容
などがメイン。女性は特に便秘による肌荒れが多いです。
外的要因は、
- 花粉
- チリやホコリ
- PM2.5
- ハウスダスト
- 化粧品などに含まれる化学成分
- 香り(天然でも実は化学成分)
- 摩擦
- 紫外線
- 乾燥した空気
- 肌常在菌バランスの乱れ
などなど。
花粉以外にも、目に見えない小さな物質が肌荒れ原因となっているのが分かりますよね。
これらが肌に触れるだけなら肌荒れは起きません。その一歩先に入ると肌荒れを引き起こします。
だから、ワセリンを肌に塗っておくことで、花粉を始めとした微細物質の肌への侵入を防げます。だから肌荒れしないで済むわけです。
ただし、花粉による体内からのアレルギーでも肌荒れはします。こっちは肌をいくらワセリンでコッテコテにしても防げないのは当たり前の話。
ワセリンで花粉症の肌荒れ予防が難しい理由とデメリット
ワセリン多めで肌荒れ対策可能だがベタつきとニキビが問題となる
花粉の季節に肌荒れを起こすなら、ほぼ間違いなく花粉が肌に侵入しているからでしょう。
これを防げるのがワセリンなのですが、あまり薄く塗りすぎると皮膜ができていない部分ができるため、その部分が肌荒れしてしまいます。
なのでしっかりと全体的にワセリンを塗らないといけません。でもそうすると、ベタつきが出ます。さらにテカリやすくなります。
メイクでファンデーションを塗ればワセリンと一緒じゃないか?と思いますよね。
確かにファンデーションもワセリンのように肌を覆いますが、マイクロスコープでメイク後の肌を覗いてみると、結構素肌が見えている部分があるんです。
ツルツルな紙でも拡大すれば繊維が絡んでいて無数の穴があることが分かります。肌も一緒で、ファンデーションをそこそこ厚塗りしても肌を100%覆うことはできません。
でもワセリンならそれが結構簡単にできます。それなりの量を塗りさえすれば。
しかしベタベタがすごいことになります。そして皮脂分泌が妨げられるので、ここ最近はニキビができたことがない人もニキビができやすくなります。皮脂が毛穴に詰まるからです。
意外!ワセリンは余計に肌を乾燥させる
ワセリンというと乾燥肌対策にも人気ですよね。でも原理的にはあくまで肌にフタをしているだけ。潤いを与える保湿効果というのはそもそもありません。
また問題となるのがワセリンが石油由来だということ。
石油由来のオイル成分は肌の皮脂を奪い取る性質があります。そのため素肌に塗ると実は乾燥を助長します。
ワセリンのヘビーユーザーは毎日ワセリンを塗っていて本当は乾燥が進んでいます。でもワセリンを塗っていると花粉はもちろん、乾燥した空気も肌に振れないため、肌が乾いているという実感がありません。だから効いている、保湿効果があると錯覚します。
これに関しては、素肌に直接塗らないことで解決はできます。素肌に日焼け止めや乳液などを塗ってからワセリンを塗る。これで一応この問題はクリアできます。
ワセリン以外でも可能!花粉症による肌荒れ予防対策
ワセリンが肌荒れ予防にいいのは、肌の微細な穴に花粉が侵入しないようにするからです。
ここで問題となるのが肌の微細な穴です。
実は花粉はこの穴より大きいのです。なので、鼻や目の粘膜から花粉症になっていたとしても、肌からの原因では通常は花粉で肌荒れはしません。
でも、あることでこの穴が広がってしまいます。そうなると、花粉が入り込めるため、アレルギー反応が出てかゆみや炎症が起きます。
つまり、ワセリンはこの広がった穴を塞いでくれているだけ。この穴自体、本来は花粉が入れないサイズなのですから、ワセリンを用いずとも元に戻せばいいだけなのです。
ワセリンなしで花粉侵入を防げるのは「キメ」と「セラミド」
花粉の大きさだと本来は肌に入れません。それが入れちゃう原因は、主に乾燥肌・敏感肌だからです。
肌表面にはバリア機能というのがあります。
毒を盛られた場合、口にしたら即効で吸収されて死に至りますが、肌に毒を塗られても通常はすぐに死にません。
なぜなら、肌のバリア機能が毒の侵入を防ぐからです。
このバリア機能が低い状態というのは、肌の穴が大きい状態。花粉で肌荒れしてしまう環境です。
この穴は角質のキメとセラミド量で決まります。
キメが細かいほど角質がギュッと詰まっているため隙間が減ります。
それでも隙間があると花粉が入ってくる部分が残ります。それを防ぐのがセラミドを含んだ細胞間脂質です。
角質の隙間をセメントのように埋めて異物の侵入を防ぐのです。
キメとセラミドで花粉に負けないし美肌になる
花粉の時期に肌荒れする人は、一年の内どこかで肌に乾燥を感じているはずです。もしくは肌が弱い人です。
なぜかというと、セラミドが不足しているからです。
セラミドが不足するとキメが荒れます。理由はターンオーバーが乱れるからです。そのターンオーバーが乱れる原因こそ肌の乾燥。
そして肌水分量の大半を確保維持しているのがセラミドだからです。
つまりセラミド不足が全ての原因と考えていいくらいです。
ということは、花粉の季節でも肌荒れしない人は綺麗な肌をしているということなんです。
キメが細かくて常に肌水分量が高く維持されています。化粧ノリはいいし、乾燥してないから過剰な皮脂も出ません。触るとサラッとしていて柔らかい状態が年中維持されます。
ワセリンで花粉症の肌荒れ予防をするというのは、肌のキメやセラミド不足を無視して、とりあえず上からフタをしてごまかしている状態。
確かに花粉の侵入は防げるので肌荒れ対策にはなります。でも過剰で継続的なワセリン使用は余計に乾燥させたりニキビなど別の肌荒れを招きます。
その場しのぎで見た目、肌の快適性を犠牲にしてもいいのならワセリンを塗っておけばいいでしょう。でもこれから素肌でも花粉に負けない、かつ綺麗な肌でいたいなら、キメとセラミドの増加は絶対に欠かせません。
花粉で肌荒れする人の原因はほとんどが洗顔・クレンジング
元々の肌質で花粉に侵入されるということは考えづらいです。それだと相当な敏感肌で、幼少期から病院にかかりっきりのはずです。そういう人はもちろんいますが、大半の人は違うでしょう。
つまり昔は花粉が肌に侵入していなかったのです。どこかで肌の穴が広がってしまい、花粉で肌荒れするようになったのです。
その原因はほとんど人に共通してます。
過剰な洗顔・クレンジング
花粉で肌荒れするというのは主に大人になってからが目立ちます。特に女性です。
20歳を超えると肌の再生力は次第に落ちていきます。この肌の再生力がキメを細かくし、セラミドを作る量を決めます。
大人になって就職したりお金を持つようになるとメイクにかかる時間が増えます。そしてスキンケアにも関心を持つようになります。
しかし、セラミドというのは油脂なので、洗顔やクレンジングで簡単に落ちてしまいます。適度な洗顔等であればセラミドは1日で元の量に戻ります。10代の頃に洗いすぎていたとしても、高い再生力がそれをカバーしていました。でも20歳を超えるとその無理が効かなくなり、次第にセラミド不足になっていきます。
女性の乾燥は原因の大半が洗顔とクレンジング。そしてキメの荒れ、花粉による肌荒れへと繋がります。
寝不足・ストレス
寝不足になると肌荒れしますよね。あれは花粉症によって肌荒れする仕組みとほとんど同じです。
ターンオーバーが乱れ、バリア機能が落ちるからです。
なぜなら、肌が一番再生するのが就寝中だからです。寝不足は肌の再生時間を短くするので、キメが荒れるしセラミドが十分に作られないのです。
ストレスも同じ影響を与えます。自律神経が乱れると成長ホルモンの分泌が減り、肌の再生指令が滞ってしまいます。
花粉に強い美肌になりたいなら洗顔・クレンジングの見直しが必須
ワセリンでごまかすからいいよ!という人はそれでO.K.です。でも、素肌自体を変えたい、花粉の時期にボコボコの肌になりたくないならこの先を読んで下さい。
ちなみに花粉による肌荒れを繰り返すと、歳を取った時にかなり老け顔になるので注意。
使うクレンジングはメイク種類と濃さに応じて変える
クレンジングは「ミルク<クリーム<オイル」の順番で、左から右に行くに連れて洗浄力が強くなります。つまりセラミドが落ちやすい、肌への刺激が強いことになります。
だったらミルクライプが一択なのですが、メイクが濃い、崩れにくいタイプの場合はクリーム、もしくはオイルクレンジングのほうが肌は乾燥せず綺麗になります。
理由は、ミルクタイプだと肌に馴染ませる時間が増えるからです。時間がかかるとセラミドへの影響が増えます。結果的に優しいはずのミルクタイプのほうが乾燥して肌の穴が大きくなってしまいます。
また肌がつっぱると敬遠されがちなオイルクレンジングですが、ミネラルオイル未配合のものなら大丈夫です。ミネラルオイルの脱脂力が強烈過ぎるため問題となります。安いオイルクレンジングに目立つので注意。
エステル系、できれば米ぬか油やマカデミアナッツオイルなどの植物油脂系であれば、濃いメイクもスルッと落ちて短時間で済みます。
足りないセラミドを増やして穴を埋める
花粉症予防にワセリンが効くのは、肌の広がりすぎた穴をふさぐことができるからです。
その穴はキメが荒れているせいですが、セラミドが減少しているため余計に穴が空いている状態です。だから足りないセラミドで埋めてやれば、ワセリンを塗るのと変わらない結果となります。
しかも、セラミドは角質層の内部に浸透するため、ワセリンのように表面でベタベタ残りません。潤いを強く留めるため、ターンオーバーケアにも最適。化粧ノリよ良くなります。
花粉症で肌荒れする人は保湿が効かなかったり、シワやシミが出やすいと思います。それだけバリア機能が低いため老化原因となる刺激にあふれているからです。
そこでいろいろ美容方法を試すでしょうが、そんなことよりもセラミドを補ってバリア機能を高めたほうが遥かに賢いです。
スキンケアは洗顔後のセラミド補給。これだけで十分であり、最も美肌に近づける方法だと知ってください。