顔がかゆくて仕方がない…
その原因は主に乾燥ですが、単純に乾燥を改善すればかゆみが治まる…というわけでもありません。
実は結構複雑。
しかも、ケア手順を間違えると余計にかゆみが悪化。
特に目の周りのかゆみなんかは、半年もすればシワがドッと増えてしまうほど厄介です。
ただ、かゆみ原因をなるべく正確に予想し、リスクのないスキンケアを行うことで快適な状態をもたらしてくれます。
そのポイントは乾燥と美肌菌。この2つを意識するだけでかゆみ原因から遠ざかる期待が膨らみます。
あなたの顔はいつかゆくなった?原因を探ろう
1.以前から乾燥肌気味だった(最も多いパターン)
一番多い原因が乾燥。
以前から乾燥が気になっているなら、だいたいこの乾燥が発端となってかゆみが出ていると思われます。
肌が乾燥するというのを正確に表現すると、角質層のセラミドやアミノ酸が不足した状態です。
セラミドなどは水分を保持する機能があり、これが角質細胞の隙間に満たされることで、高い肌水分量がキープされます。
同時に、高い肌水分量はキメが詰まった、つまり角質細胞が詰まった肌を作ります。肌細胞が十分に作られるには、十分な肌水分量が必須だからです。
つまり乾燥度合いが悪化すると、角質細胞の隙間が広がっていきます。
この隙間から微細な物質(ハウスダスト、花粉、PM2.5、大気中に浮遊する化学物質、乾燥した空気、化粧品などの成分…etc)が入り込み、かゆみ神経が刺激されてヒスタミンが分泌。しつこい痒みとなります。
2.突発的に前触れ無くかゆくなった(かなり厄介)
この場合でも、ベースに乾燥があるのが多いです。
ただあまりにも突発的な場合、何かしら最近変えた習慣があると考えられます。
- 化粧品や洗顔料を変えた
- 今まで食べなかったものを食べた
- 生活習慣が大きく変わってストレスが増えた
などなどありますが、ウルシにかぶれるみたいに、通りすがりの何かに刺激を受けるようなことも。
ただこれらは原因を特定するのが非常に困難です。
というのはかゆみ症状の究極となるアトピー肌。これは原因の特定が現代医学でも困難だからです。
何か変えたことがあるなら、まずはそれをやめてみるしか対策はありません。
以外に厄介なのが名ばかりのまがい物オーガニック化粧品。
オーガニックとは名ばかりのものも多く、配合される植物エキスの状態が良くないものが含まれていると、3ヶ月以上経ってからかゆみ刺激となることがあります。一応肌に優しい分、そのデメリットが遅れて出てくるということもあります。
しかし、アトピー肌も含めて、乾燥肌だと刺激を受けやすくなり痒みを覚えやすくなります。結局は保湿が重要になるのは間違いありませんね。
3.洗顔にこだわりがある(女性は多い。そして簡単に改善可能)
女性は洗顔にとてもこだわっている人が多いです。
日本女性の半数以上は洗顔をしすぎているといっても過言ではありません。それくらい洗い過ぎなんです。
その結果、肌のセラミド(脂質性があるため皮脂のように洗顔で落ちやすい)が奪われて乾燥肌に。
そして重要なのが通称「美肌菌」です。
美肌菌とは表皮ブドウ球菌のことで、この菌が皮脂を食べて作り出す脂肪酸などが天然の保湿クリームとなります。
これだけでも肌の乾燥を防げるのですが、さらに重要なのが悪玉菌の黄色ブドウ球菌を追い出す作用です。
黄色ブドウ球菌が繁殖するとはげしいかゆみ、吹き出物の原因となります。
顔がかゆい人は、この黄色ブドウ球菌が多くなっている可能性があります。
顔にいる同じ菌なのになぜ黄色ブドウ球菌が繁殖するかというと、洗顔でがっつり洗い過ぎると両者とも激減するのですが、その後量が戻るスピードに違いがあり、圧倒的に黄色ブドウ球菌のほうが多いのです。
しかし、適度な洗顔で適度に皮脂を残しておくと、表皮ブドウ球菌が活躍して黄色ブドウ球菌が住みづらい肌環境を作ります。
つまり、洗顔をし過ぎるとかゆみ原因となる黄色ブドウ球菌を増やしてしまう。さらに肌も乾燥させてしまうという二重苦になるのです。
朝洗顔を変えれば顔のかゆみが軽くなる?その理由
洗顔はセラミド不足、そして黄色ブドウ球菌繁殖の原因となり、顔のかゆみ原因の2つをもたらします。
つまり洗顔のやり方を変えるだけで、顔がかゆいという症状が治まる可能性は非常に高いということ。
でも洗顔は急に変えられない女性が多いでしょう。
でもこのまま半年も経てば、かゆみがもたらす炎症により糖化現象が進行。コラーゲン分解酵素が活性化して肌のハリがどんどん減っていきます。
特に乾燥しやすくて皮膚が薄い目の周りは、かなりの確率でシワ、たるみ、痩せが出てくるでしょう。もはや猶予はないのです。
特に朝の洗顔は、夜と同じように洗っている人は絶対に改めるべきです。
1.朝洗顔をしない男性の方が肌が綺麗?
朝は水で洗うだけでも十分です。信じられない女性が多いですが本当に問題ありません。
朝ろくに洗顔しない男性の方が肌が綺麗だったりするのを考えれば、美容雑誌なんかで言われる、朝洗顔しないと過酸化脂質が残ってシワが増える…なんて話が疑わしくなるのでは?
2.洗顔の必要性
洗顔の必要性は、酸化した皮脂とそれに絡みついたホコリ、花粉、化学物質などの皮脂ゴミ汚れを取り除くことです。
この汚れた皮脂ゴミ汚れは、肌に付着し続けると刺激を与え続け、それがかゆみの元となります。
3.朝の顔はあまり汚れていない
では、皮脂ゴミ汚れが夜寝ている間にどれだけ付着するのか?
夜の洗顔は朝から夜までの活動期で付着した皮脂ゴミ汚れが対象。動きまわって、ストレスを感じて濃くなった皮脂に、舞い上がったホコリや外の空気の有害物質などがたっぷりと付着します。
でも、朝の洗顔は、夜の洗顔が終わって綺麗なった肌からスタートして、後は寝るだけ。時間も6時間ほど。日中の半分以下です。
つまり、ストレスもほぼないし、動いていないし、時間も短い。だから皮脂ゴミ汚れは圧倒的に少なく、かつ水でも落ちるほどです。
それなのに夜と同じ洗顔をすると、セラミドや表皮ブドウ球菌が元に戻る前にまた洗い流してしまいます。
すると乾燥は進むは黄色ブドウ球菌が繁殖するはで顔のかゆみが悪化。コラーゲンが分解されまくることになります。
4.朝の洗顔は水かぬるま湯又は少量の洗顔料
それに朝は洗顔料でがっつり洗わないほうが化粧のりも良くなりますし、何より日中の皮脂くずれも起きなくなります。
皮脂をしっかり取ると、逆に皮脂が多く出てしまうからです。
そうなると顔ダニが繁殖して、その排泄物がまた刺激となりかゆみとなります。
朝は水かぬるま湯で。どうしても気になる人は、界面活性剤不使用か、あまり使われていない洗顔料で、泡立たないなじませて流すタイプを使いましょう。
これだけで顔のかゆみが治まることは多いですよ。
5.夜の洗顔も控えめに
同じく夜の洗いすぎも禁物。
美肌菌である表皮ブドウ球菌、そして保湿に重要なセラミド。
これらはどちらも洗顔で減少します。
ガッツリ洗っても保湿すればいいだけでしょ?と考える人もいますが、セラミドは補えても、同時に様々な成分も減少してバランスを欠きます。
また表皮ブドウ球菌に至っては、完全に元の量に戻るのに半日以上かかります。そのため、夜に過剰な洗顔をすると、朝起きたときは黄色ブドウ球菌が攻勢となってしまい、ピリピリしたかゆみが発生しやすくなります。
肌が汚れていても、必ずその中に落としすぎてはいけないものもあります。洗い過ぎは乾燥、痒みの元です。顔をしっかり洗うことで、綺麗にするのではなく、綺麗にしてくれる美肌菌が元気に活躍できるようにイメージして洗ってみてください。
人間だってそう。
部屋を綺麗にしてあげるね!と言われて、必要な服や家具まで捨てられたら困りますよね?