肌の透明感は誰でも出せます。お年寄りでもある程度出せるんです。
シミはあんまり関係ありません。だからシミがある人でも透明感を出せば、顔の印象はかなり若くなります。
透明感の正体はたった2つ
肌の透明感には2つの要素があります。
どっちかだけ実現するというより、この2つは同時に解決されます。肌の透明感を出したいなら、この2つを高めることを意識する必要があります。
1.角質の透け具合で見える生きた細胞の水分感
肌の透明感は、角質の透け具合です。角質は死んだ細胞で10~15枚ほど重なっています。その奥に生きた肌細胞があります。
肌の透明感とは、いかに生きたみずみずしい細胞の存在を感じられるかです。
この生きた細胞部分(顆粒層や有棘層、基底層)は個人差はあれど、角質の透け具合ほど差はありません。なので、角質の透け具合さえ高めれば誰でも透明感は高まるというわけです。
赤ちゃんの肌は非常に透明感がありますが、あれは角質層が大人より薄いからです。逆に角質層が薄いためにバリア機能が低く、赤ちゃんはよだれや涙だけでよく肌荒れもします。
2.肌のキメによる光の細かい乱反射
極端な例ですが、薄暗いところでは誰でも透明感が出ません。つまり、透明感というのは光の反射ということが分かります。肌がどのように反射していれば透明感に映るのか?というのがポイント。
反射なので肌の内側じゃなくて表面の話になります。となるとやはり角質。その角質の並び方で光の反射具合が変わります。
できるだけ細かく色んな方向に乱反射したほうが、素肌の色が飛んで白い光の量が多く見えます。これが透明感です。
肌の透明感みたいだけど本当は違う現象
あ!透明感が出てる!
と思う瞬間があるでしょうが、それは上記2つの条件にそっていないことがほとんどです。
洗顔後の透明感は幻
まぼろし~~!
IKKOさんが言いそうな感じですが本当にそうです。洗顔後は肌が白くなった感じで、とても透き通ったいい感じになります。
そう見えるのは肌の透明感条件を擬似的にクリアしているからです。
これはお風呂上がりも同じことです。
1.水分が肌に残っているだけ
角質の裏にある肌細胞の水分感が本物の透明感です。なので、洗顔後の水分が肌に付着していれば、水分が見に見えるので透明感っぽくなります。
でも濡れているというのが分かりますよね。当たり前ですが、5分も経たない内に水分が蒸発して透明感は消えます。
後述しますが、だからといって保湿ケアでどうにかできるわけでもないんです。
2.肌が濡れていると光を反射しやすいだけ
池や水たまりに自分の姿が鏡のように映りますよね。ということは、光が反射しているということなんです。物理的に。
だから洗顔後の濡れた肌というのは光を反射しやすいんです。だから透明感条件を満たしています。
でも5分も続きません。
保湿化粧品を塗った後の肌に透明感は絶対に出ない
保湿化粧品を塗ると肌に潤いが残ります。これで透明感が出た雰囲気になることがありますが、その透明感は完全に間違いです。
1.水分以外の成分が皮膜を作り不自然な見た目になる
一般的な保湿化粧品の場合、ヒアルロン酸やコラーゲンなど保水性のある成分で潤いを残します。これは肌に水分を多く含んだ皮膜を作ることで実現します。
いわば肌に薄くゼリーを塗りつけるようなものです。
肌の透明感は角質の裏側に透けて見える水分です。保湿化粧品による水分皮膜は表面で、しかも皮膜なのでのっぺりした状態になります。
この偽の透明感に満足してしまう人が、朝からベタベタ保湿をしてしまい、余計に肌の透明感を失わせることになります。
2.皮膜性が光を大きく反射してしまう
本物の透明感は細かい肌のキメによって作られます。でも保湿化粧品で作られる偽の透明感は、被膜がキメの細かさより粗く広がります。
だからおでこや頬などは、部分的に白く光が映ってしまいます。いわばテカリの状態となります。これは透明感ではなくてただ光っているだけです。
とにかく光っていればいいと勘違いしている人が多いので注意。
肌の透明感づくりで絶対にやってはいけないこと
肌の透明感は赤ちゃんのときはMAXです。その後、16歳くらいまで高いレベルで続き、それ以降は減少していきます。
ただ、透明感の減少率は個人差が大きくあります。その理由は持って生まれた肌質もありますが、多くは個人に原因があります。
角質の剥がしすぎ
肌の透明感は角質が薄いほうが出ます。しかし、角質が薄すぎると敏感肌になります。
足のかかとはひび割れなどしやすいですよね。あれは角質が分厚いからです。角質が分厚いから全体重が乗っかっても潰れず、痛みを感じず荒れもしません。かかとがもし、顔の角質の厚みと同じなら人は外を素足で10mも歩いたら痛みで座り込んでしまいます。
角質が薄いと透けるため透明感は確実に出ます。でも、最低限の厚みがないと肌荒れします。肌荒れすると炎症の痕が残るため、透明感を一生失うことになります。
角質が薄くなるとバリア機能が落ちます。肌はそれを補うため、角質を分厚くしようとします。つまり、意図的に角質を分厚くしようとしても、肌はそれに逆らいます。適切な厚みにコントロールすることは透明感を出すのに重要なのです。
過剰な時間をかけたクレンジング
クレンジングに含まれる界面活性剤は強力です。界面活性剤は角質の隙間をつなぐ細胞間脂質を攻撃し、剥がれやすくしてしまいます。
クレンジングはミルク、クリーム、オイルの3つに分かれます。左のほうが洗浄力がマイルド。角質への攻撃力が低くなります。でもその分メイクが落ちにくくなります。
化粧下地にファンデーションを薄く塗るだけ。これくらいのメイクならミルククレンジングで十分です。
ただ、かなり崩れにくい化粧下地に、しっかり目にファンデーション。チーク、アイシャドウなど濃い目のメイクの人は、オイルクレンジングのほうが角質を剥がしにくくなります。
理由は、ミルクだと馴染ませる時間がかかってしまい、結果的に界面活性剤が角質を攻撃する時間を増やしてしまうからです。
ただ、オイルクレンジングにも種類があります。絶対に避けたいのはミネラルオイル(鉱物油)のタイプ。これは非常に肌に悪いので禁止です。できるだけ植物オイル主体のオイルクレンジングがベスト。これなら角質を強力に剥がすことがありません。
過剰な保湿ケア(化粧水の重ね付けなど)
透明感は肌の水分不足という認識はみなさん持っていると思います。
でも保湿ケアを頑張ったからといって、肌水分量がすぐに上がるわけではありません。むしろ頑張れば頑張るほど透明感はなくなります。
例えば化粧水をたっぷり何度も重ね付けする人が多いですが、あれはほとんど無駄です。角質層の薄さは想像以上で、あんなに大量の水分が浸透するはずがありません。
そして水分はすぐに蒸発します。その際に肌内部の水分も一緒に蒸発します。お風呂上がりの急激な乾燥もこれが原因です。つまり逆効果。
水分が蒸発して肌に残るのは他の成分です。化粧水にも若干の界面活性剤が含まれています。また刺激性のある美容成分もあります。化粧水の重ね付けは、結果的に肌刺激となる成分濃度を濃くするだけなんです。
結果、角質へのダメージとなります。
角質の厚みをコントロールして透明感を出す方法
肌の透明感条件の1つ目「角質の厚み」。
適切な角質の厚みになれば、肌荒れしにくくなり、かつ裏側の肌細胞が持つ水分感が透けて見えます。
1.適度に角質を剥がす
角質は毎日入れ替わっています。肌の底から新しいものが誕生して押し上げていきサイクルします。このサイクルがターンオーバーと呼ばれるものです。
歳を取るとこの動きが鈍くなり、過剰に角質が重なります。高齢層に透明感がなくなるのはこれが理由です。
ただ、基本的には洗顔で普通に落ちます。ゴシゴシやったりピーリングする必要はありません。
40代以降なら2週間に1回ほど家庭用ピーリングはやってもいいです。それくらいなら年齢の遅れをカバーできて悪影響もないからです。
ただ30代までの人なら不要です。優しい洗顔で十分適切な角質の厚みになります。
ただし、以下の条件が揃っていた場合の話なので注意。
2.肌のバリア機能を高める
角質の厚みは肌のバリア機能を高めます。何か刺激が加わった場合でも肌荒れしなくなります。足の裏は角質が分厚いですが、あそこが肌荒れなんてしませんよね。これは角質が厚いためです。
でも顔に角質が分厚くなると透明感がなくなります。かといって薄くしすぎると肌荒れします。
どうすればいいのか?
セラミドを増やします。
肌のバリア機能というのは、「角質の厚み+セラミド」で維持されます。
セラミドは油脂ですが水分とも親和性が高く、水分を捕まえて挟み込み離さない性質があります。そのためサンドイッチ状に油分と水分の層ができ、これが刺激や異物の侵入を強力に弾きます。
角質の厚みが薄くても、セラミドが十分にあれば肌荒れはめったにしません。
これにより、角質を薄い状態で維持できるので、肌裏側の水分感が引き出されて透明感が生まれます。
3.肌水分量を高める
乾燥して皮むけや粉吹き状態になると、肌が白く濁ると思います。これは水分を失った角質です。
この肌状態に水を与えると白さが消えます。
つまり、角質に水分が十分にあると透けて見えるというわけ。水分がないと濁ってしまい、仮に角質の厚みが薄くても透けなくなるのです。
どうすればいいのか?
これは2.と同じです。セラミドです。
人の肌に限らず、馬など哺乳類にもセラミドがあり、これが肌水分量を維持しています。
ヒアルロン酸やコラーゲンも高い保水性がありますが、外気に触れる環境ではあまり維持できません。でもセラミドなら湿度0%でも水分を離しません。非常に強力です。
それに、セラミドは角質層にある成分です。ヒアルロン酸やコラーゲンは主に真皮層、もしくは角質層の裏側あたりにあります。ここの水分量も重要ですが、透明感にいちばん重要な透け具合は角質部分です。
セラミドは角質の隙間に広がり、水分を維持します。これは肌水分量全体の8割を占めます。
また、肌水分量が高まることでターンオーバーが整います。結果、自然に古い角質が剥がれやすくなるため、いつも適切な角質の厚みになり、透明感が維持されるのです。
角質のキメを細かくして肌の透明感を高める方法
肌のキメとは、角質同士が重なりあり、隣り合ってできる溝と膨らみのことです。
例えるなら、キメが細かい肌というのはストッキング。粗い肌はセーターです。
当然、ストッキングのほうが滑らかに見えます。セーターは凸凹して見えます。これと同じ状態です。
キメが細かくなると、それだけ溝が増えます。その溝や角質の膨らみが多数に渡るため、光が小さく細かく色々な角度に反射します。でも粗いと、まとまって一定方向に反射します。
光はまとまって一定方向に反射すると暗い部分ができたり、一部だけ白くテカリます。できるだけ光を細かく乱反射することが肌の透明感を高めます。
そのために必要な取り組みは、実は上記の角質の厚みコントロールと全く同じです。
適切な角質ケアができていれば、キメは自然に細かくなります。細かくなり始めるのに最低2週間から1ヶ月。かなり実感できるには2ヶ月以上かかります。
肌の透明感を出すために使用したいスキンケアグッズ
肌の透明感を出すための条件と必要なことが分かったと思います。
重要なことは、
- 洗顔・クレンジングは最小限にする
- 肌水分量を高める
この2点だけということになります。
つまり、シンプルなスキンケアが正解というわけ。化粧品やスキンケアで肌を綺麗にするのではなく、肌自身が正常な状態(透明感がある状態)になろうとしているのを、私達が邪魔しない、助けてあげるだけです。
そのためには、使い勝手がいいスキンケア化粧品やグッズがあります。
クレンジングの選び方
非常に角質ダメージ影響が大きいのがクレンジングです。
メイクを120%落とそうとしている人が目立ちます。メイクの濃さ、種類によってクレンジング種類を選ぶことで、20秒ほど馴染ませるだけで100%のメイクは落ちます。仮に1%残ったまま寝ても肌影響はありません。メイク自体にそこまでの肌攻撃性はないからです。
シンプルで薄めなメイクらミルクかクリーム
一番肌に優しいのがミルクタイプ。次にクリームです。
普通の化粧下地に普通のファンデーションなら、ミルクタイプで20秒馴染ませればほぼ落ちます。
それで落ちが足りないようならクリームタイプに。こちらのほうが若干ですがメイクオフ力が高いです。ただ製品によってはオイルクレンジングに近いものもあるので注意。
崩れにくい・ウォータープルーフ・厚塗り気味ならオイル
最近人気の崩れにくい化粧下地やファンデーション。これらはミルクタイプだと落とすのに時間がかり、角質を余計に剥がしてしまいがち。
またウォータープルーフや厚塗り気味のメイクも同じです。
マカデミアナッツオイル、米ぬか油などの植物性オイル主体のオイルクレンジングが一番おすすめ。これらはオイルならではのメイクオフ力の高さがありながら、肌を乾燥させない一番優れたタイプです。
もしニキビができない肌質なら、エステル系のW洗顔不要のオイルクレンジングもおすすめ。W洗顔不要で、かつメイク落ちもいいため、総合的に肌ダメージが少ないです。
保湿化粧品の選び方
保湿化粧品の目的は、肌に乾燥していないことを知らせるためです。自分が感じる潤い感は関係ありません。
肌が乾燥していることを感じる=バリア機能が落ちている
となるため、角質を分厚くしようとします。また皮脂を多く出す人もいます。そのためテカリがひどくなります。
それを防ぎつつ、角質にダメージも与えない。そして肌水分量を高められる、セラミドを増やせる保湿化粧品がベストです。
ワセリンは透明感を消してしまう
ワセリンを塗ってしまえばバリア機能が高まるので解決できます。でもベタつき、そして強い皮膜性によるテカリと濁った色のせいで透明感が消えます。また皮脂が多い人はニキビができやすくなります。
ひどい肌荒れなどを伴うときはワセリンくらいしか使えません。どれだけ敏感肌向けの保湿化粧品でも刺激性があるからです。
でも特にトラブルがなくて透明感不足の肌なら、ワセリンはむしろ逆効果です。ワセリンは素肌に付着すると皮脂を吸い取ります。あまり使用していると皮脂バランスが崩れ、乾燥したりテカったりするのでおすすめはしません。
ヒアルロン酸・コラーゲンは補助的に入っているものがいい
保水性が高いヒアルロン酸とコラーゲンですが、基本的に肌表面に水分性の高い被膜を張ることで潤いをキープします。皮膜性はヒアルロン酸が断トツで強いです。
別に悪くないのですが、それだったらセラミドを補ったほうが合理的です。なぜならセラミドは角質層内で安定してとどまるからです。ヒアルロン酸やコラーゲンはナノ化処理で浸透しますが、セラミドのように安定的にとどまりません。
かといって不要ということでもありません。セラミドがメインの保湿化粧品に配合されていることが多く、この配合量と種類でかなり質感が変わります。中には水分感が非常に高まるものもあり、塗るだけで透明感が長く演出されるものもあります。この透明感はほぼ本物の透明感に近いものです。
ヒト型セラミド or ライスパワーエキスNo.11を選ぶ
セラミドには種類がありますが、安定しているのはヒト型です。主に植物成分から作られますが、人のセラミドと型がほぼ同じで性能に優れています。
馬油や米、こんにゃくなどから取れるセラミドそのままの天然セラミドもあります。ただ人の持つ酵素によってセラミドとして働くかどうかの差が出ます。悪くはないですが透明感重視ならヒト型を選んでおけば間違いなし。
ライスパワーエキスNo.11は医薬部外品成分。肌がセラミドを作るのを促進させる作用があります。
セラミド配合の保湿化粧品と違って、肌表面に皮膜を一切作らないタイプが多く、塗っても塗ったのかどうか分からないほどの軽い仕上がりです。ですが内側からセラミド増加を働きかけるので、乾燥度合いがひどくないなら非常に快適で安心できます。ニキビができやすい人にも適しています。
セラミド以外も条件付きで透明感ケアに向いている
なぜセラミドがいいかというと、「角質層に元々あって馴染みがいい」という点が大きいからです。
他の成分はナノ化で浸透しやすくなりますが、セラミドに比べると外に出ていきやすい成分です。本来そこにあっていい成分ではないからです。肌は基本的に排出器官ですから。
またバリア機能の元となるセラミド以外は基本的に浸透しません。だからセラミド以外というのは基本的に無駄が生じます。
それを解決するのがリポソームカプセルです。
セラミドと同様の馴染みやすい構造で成分を包みカプセル化。これにより本来は角質層に入りにくい成分もセラミドのように浸透し、また長くとどまらせることが可能です。
このタイプの保湿化粧品が持つメリットは、非常に多様な美容成分を同時に浸透させることができる、という点で大きなメリットがあります。
セラミド、ライスパワーエキスNo.11以外で保湿化粧品を選ぶなら、透明感にはリポソームカプセルが必須でしょう。