拭き取り化粧水やピーリングでそのときは肌のざらつきがなくなる。でも翌朝には戻っている。
これを繰り返しても絶対に肌はツルツルになりません。
肌のざらつきは落としてはダメ。落とすと余計にザラつきます。ザラザラは溜まらないようにする、これが正解です。
むしろ、肌がざらつく肌質の人は、そうでない人より美肌になれるチャンスがあるのを知っていますか?
肌ざらつきの正体は肌の防御反応
なぜ肌がざらつくのか?
理由は簡単で、肌が肌自身を守ろうとしているからです。
何から守ろうとしているのか?
刺激です。紫外線や摩擦、化学成分やホコリ、花粉、PM2.5などです。
肌がざらつくのは、肌がザラザラにして分厚くし、これらの刺激を跳ね返そうとしている防御反応なんです。
肌のざらつきを取るとダメな理由
ざらついて感じるのは、角質が乾いて硬く積み重なっているからです。
本来は水分があって薄いので柔らかいはずが、乾いて積み重なったため硬くなります。薄いところと分厚いところができてボコボコした感じになります。これが、ざらつきの正体。
拭き取り化粧水やピーリングをするともっとざらつく
肌は刺激を受けると、角質を積み重ねて分厚くしようとします。
私達の感覚で言うと……
- 寒いから服を重ね着する
- 雨やあられが降っているから傘をさす
- 上からものが降ってくるからヘルメットをかぶる
といった感覚です。
拭き取り化粧水やピーリングは、せっかく分厚くした角質を削り取ります。
となると、もっと角質を増やして自分自身を守ろうとします。
結果、ざらつき除去を繰り返すと、余計にざらつきが酷くなるのです。
ざらつき肌から無理にざらつきを取ると一気に老ける
肌がざらつくのは刺激から肌を守るため。プラスの行動です。
でも拭き取り化粧水等で無理やりざらつきを取ると、肌は無防備な状態になります。
だって、上から岩が降ってきてるからヘルメットを被ったのに、それを無理やり脱がされるんですよ?拭き取り化粧水やピーリングがいかにヤバイことをしているか?ってことなんです。
そのため、再びざらつきが戻るまで肌は刺激を受けまくります。
ざらつき除去ケアを続けていると、だんだんと肌が赤くなってきたり、ニキビができてくるのはこれが理由です。
もっと怖いのは、この奥でコラーゲンが壊されているということ。コラーゲンは壊されても回復しますが、必ず100%元に戻りません。年齢を重ねるごとに回復にエラーが出やすくなります。
肌のざらつき除去にこだわっていると、30代後半や40代になったときに、周りの同級生より肌にハリがない、シワが多いことに気づきます。でもそれがざらつきケアのせいだったとは本人は気づかないでしょう。
肌がざらつくのは肌が若い証拠
拭き取り化粧水やピーリング、はたまたゴマージュなどで角質ケアをしても、何度もざらつきが復活する……
そんな人は肌が若い証拠です。
歳を取ると肌の再生力が落ちてきます。おじいちゃん、おばあちゃんが過度の拭き取り化粧水やピーリングをすると、角質の厚みが戻ってこず、薄いままで維持されます。
肌が常に赤くなったり荒れてしまい炎症を起こし、コラーゲンが破壊されハリをさらに失います。
拭き取り化粧水等でザラザラを落とし切るのは、相当な厚みの角質を削り取っています。それがすぐに元に戻るということは、それだけ新陳代謝が活発な証拠。
ちゃんとしたざらつきケアができれば、その新陳代謝は美肌の源となります。
ザラザラが気になって仕方がないでしょうが、これはチャンスと思ってもらって結構なくらいです。
今既に肌状態が荒れ気味でおかしくなってしまった人も、正しいざらつきケアを行うことで美肌になれる可能性が大いにあります。
ざらつきは取るのではなく増えないようにする
肌のざらつきは、除去しても除去しても元通りになります。理由は先程のとおり。刺激を防ぐための肌防御反応だからです。
だから、ざらつきは残しておかないといけません。
なぜざらつきを繰り返すかというと、生まれてくる角質状態がよくないからです。
ざらつきは異常状態です。
では美肌の人はどうやって刺激から肌を守っているのか?ざらつきがないのに刺激を受けないのか?
本当に綺麗になるざらつき対策はバリア機能を高めること
顔のざらつきを復活させず、かつ肌を綺麗に保つためには、ざらつきに変わる防御機能が必要です。
それがバリア機能です。
バリア機能は薄くて透明感のある肌ほど強い
美肌の人は肌が薄くて透明感があるのに、どうやって刺激を防いでいるのか?
それはバリア機能が強いからです。
肌が綺麗なほどバリア機能が強いんです。
これは、美肌条件とバリア機能条件が全く同じだからです。美肌になろうと思ったら高いバリア機能が必須なんです。
バリア機能の秘密~薄くても強い理由
バリア機能は角質層にあります。肌の一番表面です。
角質細胞が10~15枚ほど積み重なっています。その隙間に細胞間脂質という油性の液体が満ちています。
この細胞間脂質に含まれるのがセラミド、遊離脂肪酸、コレステロールです。
特にセラミドがバリア機能に重要。
セラミドは油脂ですが水分とくっつきやすい特性があります。このセラミドにより肌に水分が蓄えられます。
角質層には油分と水分の層が交互になって重なります。水と油の両方の性質があるため、多くの物質を通しません。これがバリア機能です。
美肌は角質層の厚みが薄いのですが、セラミドが豊富にあるためバリア機能が高くなっています。そのため、角質を積み上げてざらつきを作る必要が無いのです。
結果、肌は潤いがキープされるし、柔らかくてツヤと透明感にあふれるのです。
バリア機能が壊れると角質を厚くすることが優先される
肌のざらつきを除去してはいけないのは、バリア機能が急激に落ちた場合、セラミドを増やすのではなく角質を分厚くすることが優先されるからです。
もし仮にセラミド量アップが優先されるなら、角質の厚みは変わらないのでざらつきは出ません。
でもセラミドを作るより、角質を分厚くしたほうがとりあえずのバリア機能回復には早いのです。いち早く肌を守るための反応です。
ですから、ざらつきを取りきってしまうと、余計に角質が分厚くなってゴワゴワした肌になってしまうのです。
セラミドを増やしざらつきを止めるためのスキンケア
以上のように、肌のざらつきを止めるには……
- ざらつきを取りきらない
- セラミドを増やす
この2つが必要とういわけ。
顔の洗いすぎはセラミドを減らすので注意
拭き取り化粧水等以外に、洗顔やクレンジングでざらつきを取りがち。
でも、洗顔やクレンジングに含まれる界面活性剤は大量にセラミドを奪い去ります。
しっかり洗顔等したほうが肌はツルッとします。でもセラミドは減少します。だからすぐに乾いてきて肌が乾燥するはずです。しっかり洗えば洗うほど。
美肌の人でも角質は毎日剥がれて生まれ変わっています。でもピーリング等は一切しませんし、洗顔・クレンジング時間もみなさんより短いです。
洗浄成分が肌に付着さえすれば、メイクも皮脂汚れもほとんど綺麗に落ちます。その際に、剥がれるべき分の角質が自然に剥がれます。それ以上はセラミドを落とすだけ。
後はセラミドが増えていくのを待てば、自然に柔らかくて水分が多い角質に入れ替わります。決して、ざらつきを取ってはいけません。
もし時間をかけないとメイクが落ちないのなら、油脂性のクレンジングオイルに変えてください。ミルクタイプは優しい代わりに洗浄力がかなり低いです。落ちやすいメイク用なので、非ミネラルオイルの洗浄力を控えめにしたオイルクレンジングが最適です。
角質層を乾かさないように維持するとセラミドが増える
セラミドは肌細胞(表皮細胞)が生まれるときに、一緒に作られます。
肌細胞は時間をかけて上層に上がっていき、最後は角質細胞に変化します。このサイクルをターンオーバーと言います。
ターンオーバーサイクルが乱れるとセラミドも影響して不足します。
このターンオーバーをダメにしてしまうのが……
- 角質層の乾燥
- 寝不足
- ストレス
の3つです。
絶対に阻止したいのは乾燥です。これは誰でも解決できるからです。
角質層が乾くと肌は角質を積み上げます。だからざらつきます。
でも、角質層の水分量が上がると角質の積み重ねを止めます。バリア機能が戻ったと判断するからです。
セラミド、もしくは保水性の高い成分で保湿
ざらつきがない肌は、角質層に十分なセラミドがあるからです。この状態をできるだけ再現すれば、肌は角質を積み上げてカサカサにするのを止めます。
方法は3つあります。
1.セラミドを浸透させる
2.それ以外の保水成分を浸透させる
3.肌にフタをする
一般的に保湿と言われているのは3.です。
実は3.の保湿は、乾燥を感じなくなる効果だけ、もしくは一時的な乾燥くらにしか実感をもたらしてくれません。
肌のざらつき対策に欠かせない保水成分の選び方
一番簡単で確実なのが1.のセラミドを浸透させることです。
次に2.です。3.のフタをする一時的な保湿は、基本的にざらつき改善には繋がらない確率が高いです。もっと軽い状態で、薄い肌なら期待できます。
お手軽で確実なセラミドは種類と浸透力を重視
セラミドが足りないから肌がざらつく、と言っても過言ではありません。
幸いにも、セラミドは角質層に存在する成分なので、化粧品で簡単に浸透させることができます。
ただ各ブランドのセラミドコスメは浸透力で差が付いています。ここは実際に使ってみるか、何かの情報を頼りするしかありません。ブランドの広告イメージの通りに浸透するとは限りません。
次に重要なのが種類。
1.ヒト型
2.類似
3.天然型
の3つがあります。
一番間違いないのがヒト型。類似は劣るとされていますが、濃度が高ければ問題なし。ただどれが高濃度ブランドなのか分かりづらいです。
天然型は馬や米、こんにゃく由来。肌に浸透してからセラミドとなりますが、肌質によっては変換率が悪く、セラミド作用が思ったように得られないことも。
別枠としてライスパワーエキスNo.11。
これは米由来の医薬部外品成分。肌内部からセラミド生産を促進させる作用があります。これは100%自分のセラミドなので高効率ですが、肌質によって生まれるセラミド量に差が出ます。
以上から、一番てっとり早くて失敗する確率が低いのがヒト型となります。続いてライスパワーエキスNo.11も期待できますね。
セラミド以外の保水成分は浸透技術が重要
セラミドは角質層に元からある成分です。なので浸透させしてしまえば長くとどまってくれます。
でもコラーゲンやヒアルロン酸は違います。これらは角質層にない成分のため安定しません。そこで重要となるのが浸透技術です。
こういった優れた保水性があるけど角質層に安定しにくい成分を、セラミドのように安定させることができれば、場合によってはセラミドを超えます。
その可能性を持っているのがリポソーム化です。
これは角質層の細胞間脂質と同じ構造を持つカプセル化技術です。これにより、本来は角質層に馴染みにくい保水成分も、セラミドのように浸透しやすく、かつ長時間に渡って水分維持が可能になります。
この技術はドラッグデリバリーシステムと呼ばれ、医薬品を患部に届けるのに使われています。
肌のざらつきに一般的な保湿は効きにくい
肌にフタをするとよく言いますが、実際にフタができるのはワセリンくらいです。
フタをすることで、セラミド不足の肌でも水分蒸発を抑えることができます。上から無理やりフタをすることで、中から染み出す水分を角質層に溜めてしまうわけです。
ですが本当にフタレベルでワセリンを塗ると、ざらつきに加えてベタベタでかなり不快です。これが逆の薄い肌ならあまり気になりません。むしろバリア機能が大幅に高まるため好都合です。
肌のざらつき状態に関しては、あまりフタというのは考えなくていいです。なぜなら、セラミド等が水分を保持するので、そもそもフタなんていらないのです。
落ち着いて最低1ヶ月待つ。2ヶ月から変化を期待
ざらつき肌は、この先も刺激を受け続けるという不安を持っています。そのため、肌のバリア機能が高まっても角質をしばらく積み上げようとします。
これも肌の防御反応です。
空腹な日が続くと、それまでより栄養の吸収効率が上がります。体がこの先もろくに食べられないと危惧して、なるべく栄養を取り入れようとするからです。でも普通の食事量になってもしばらくこの傾向は続きます。なので食事制限ダイエットのリバウンドはきついんです。
このように人の体は、常に「危ない」という予想で動いています。
だから肌のざらつきも急に変わりません。ターンオーバーが最低1ヶ月。ざらつき肌の人は1ヶ月半以上かかります。
このターンオーバーが完全に1周して、ザラザラ感がかなり消えたことを実感できるようになります。
多くの人が、スキンケアを変えてすぐに効果を期待します。でも、1週間やそこらで肌に変化が現れることはありません。もしそうなら、それは肌が変わったのではなく、化粧品成分の残留によるものです。
こういったことを知らない、我慢できないため、多くの人がピーリングなどに手を出します。でもそれが逆効果で老化原因になることはもうお分かりだと思います。
ぜひ、最低1ヶ月以上は我慢して、洗いすぎず、そして角質層内部を24時間保水し続けることを続けてみてください。
ざらつき肌になる人は美肌になれる可能性が高い!ということをきっと実感できるはずです。